岐阜、長野両県にまたがる御嶽山(3,076メートル)噴火に伴う緊急消防援助隊愛知県隊として救助活動に当たった岡崎市消防職員が20日、市役所で内田康宏市長に活動報告を行った。国内の火山災害としては戦後最悪となった山頂での活動を「想像していたよりも過酷だった」と振り返った。(竹内雅紀)
岡崎市消防本部からは第15次隊として、中消防署本署救助二係の山本治係長(45)をはじめ5人が8日に岡崎を出発。翌9日は天候不良で救助活動が延期になり、10日に山頂で計6時間活動した。自衛隊ヘリで山頂に到達し、県内のほかの隊と隊列を組み、登山用のストックで地面を突きながら一の池、二の池付近で行方不明者の捜索活動をした。
山本係長は「火山灰が固まり、足元は粘土質のような状態だった。歩いていても膝上まで埋まったり、約1メートルのストックが手元まで埋まったりした。標高3000メートルを超える場所での救助は初めてで、想像していたよりも過酷だった」と述べた。また、固まった火山灰は靴にこびり付き「靴が3倍くらいの大きさになった」と表現した。山荘の屋根や壁には噴石による穴が開いていたという。
活動6時間のうち、半分は移動に要した。「思うように活動ができなかった。自然災害の救助活動に当たる難しさを体感した」と、東日本大震災被災地でも救助活動経験のある山本係長は話した。
行方不明者7人を残したまま捜索は16日で打ち切りに。「行方不明者を見つけられなかったことは残念に思う。時間が短かった」と無念さをにじませた。
また、別日に後方支援部隊として参加した消防本部消防課の鈴木聡副主幹(52)は活動拠点となった長野県王滝村の「ロッヂ三笠」で、救助隊の食事支援や資機材についた火山灰の洗浄などを行った。
内田市長は「岡崎市を代表して現地へ向かい、活動してくれたことをありがたく思います。本当にご苦労さまでした」と労をねぎらった。