岡崎市矢作南学区は地域の防犯対策として、学区内にある企業などが所有・設置する防犯カメラの有効活用を要請している。地域住民の安全確保は最重要事項。学区総代らは、犯罪抑止につながる「見張り役」に大きな期待を寄せている。(竹内雅紀)
同学区内では昨年、2〜9月に多発した不審火や、8月に発生した新堀町の会社役員強盗殺人事件(未解決)があり、地域住民が不安な日々を送ることが多かった。日々の防犯パトロール以外に効果的な手段として考えついたのが防犯カメラの活用だった。
豊田市や安城市の周辺自治体では、防犯設備の設置に関する補助制度が進んでいるが、岡崎市は検討中の段階。性能を重視した場合、防犯カメラは1台当たり20〜25万円と高価。総代らは、まずは地域で取り組めることは何かと考え、既存の機器を役立てる方法を思いついた。
今年1月から企業への呼び掛けを開始。6月5日現在、協力に応じたのは7社と決して多くはない。企業だけではなく、コンビニや商店、マンションなどへの要請も検討している。プライバシー保護の観点から難色を示すところも多いのではという懸念もあるが、粘り強く要請をしていく方針だ。
防犯カメラの協力がある程度整った場合は、学区内でカメラが作動し、地域全体で犯罪抑止のために目を光らせていることを周知する看板の設置を検討している。
率先して防犯活動に取り組む同学区総代会長の江坂進さん(67)は「犯罪を起こそうとする人は、防犯カメラがあると心理的に避けようとする。学区内の多くのカメラが協力すれば、犯罪抑止効果が期待できる。矢作南がモデル地区となり全市的に広がれば安全なまちになるのではないか。そのためには地域、市、警察との連携が必要」と話している。