春は門出の季節―。岡崎公園で30、31の両日、岡崎のPR役として活躍してきたオカザえもんの岡崎アート広報大臣退任式とグレート家康公「葵」武将隊の交代式があった。ともに別れを惜しむ声がある中、ファンに感謝の言葉を残してそれぞれの役目を終えた。(竹内雅紀)
オカザえもんは31日午後1時前に木曽馬「ヂィープインパクト」に乗って大手門から入場。ファンの声援に応えながら式典会場の岡崎城二の丸能楽堂まで進んだ。
式では、1年間務めた大臣のたすきを内田康宏市長に返し、市長らから感謝状を受け取った。内田市長は「ここまでブームになるとは。1年間の活躍に心から感謝」と述べ、アート作品としてレジェンド(伝説)になることを願った。
オカザえもんは激動の1年を「あっというま。ハードワークでござりました。ひようたいこうか的な成果はありましたが、反省点も多いでござる」と筆談で振り返った。また、ファンに対しては「感謝しております。応援があってこそのキャラ」とメッセージを送った。今後は、フリーの立場で活動範囲を海外にまで広げるという。
市によると、オカザえもんの市への経済波及効果は42億5,000万円、メディアへの露出を広告費に換算したパブリシティ効果は6億6,000万円だった。
武将隊の交代式は30日夕、三河武士のやかた家康館前で行われた。脱退する稲姫役の山田花織さん(23)と服部正成役の元井康平さん(27)がファンに最後の勇姿を見せた。
山田さんは「皆さんに元気をいただきました。これからは今までのことを思い出しながら前に進みたいと思います」、元井さんは「発信する側だったはずなのに、逆にこちらが教えられました。新メンバーも応援してください」と述べた。最後の演武を終え、晴れやかな表情で会場を後にすると、集まった女性ファンの多くが涙ぐんでいた。
その後、新メンバー2人を加えた新生武将隊が演武を披露。小田悠紀さん(28)は稲姫が成人した「小松姫」、竹内誠人さん(24)が「服部正成」を務めることが発表された。