豊田市は14日、平成26年度の当初予算案を発表した。一般会計は、前年度を97億円上回る1,685億円。自動車産業の景況回復により、法人市民税は前年度当初比で5倍近くの大幅増を見込んだ。一方で、税収の不透明さや想定される法人市民税国税化の影響などから各種基金への積み立てを増やし、借り入れを過去10年で最少にすることで市債残高の抑制を見込んだ堅実な編成となった。(今井亮)
予算案は新年度に執行する一部事業を盛り込んだ補正予算案を加えた“13カ月予算”とし、実質的な予算規模は1,749億円となる。
歳入の中心となる市税は、241億円増の1,085億円を見込んだ。このうち、市民税は個人が13億円増の306億円、法人が216億円増の262億円。
市債は30億円。当初としては平成20年度と並び最も少ない。決算ベースの市債残高は前年度より81億円減の830億円に抑制される見通し。
主な歳出では、財政調整基金と前年度に新設した公共施設安全安心基金に各10億円、豊田地域医療センターの再整備に備え、保健医療福祉基金に20億円を積み立てる。これにより決算ベースで平成17年度以降、最低の341億円に落ち込んだ前年度の基金残高は、378億円に回復する見込み。
太田稔彦市長は「法人市民税の税収回復にとらわれず、新年度は財務体質の強化に向けて編成し、今後の財政運営の在り方を示した」と述べた。