水源の森を再生し、自然と人との調和を目指す「『天使の森』プロジェクト」の活動が、岡崎市額田地区で進んでいる。昨年は三河湾を望む山の頂上に間伐材でベンチを設置。落葉樹の苗ポットを作り、小学校3校で育ててもらっている。(大津一夫)
同プロジェクトは、ほとんどがスギ、ヒノキの人工林で占められる額田地区の山林を、自然林に再生しようという試み。NPO法人アースワーカーエナジー(小原淳理事長)が活動主体となって、男川の源流に近い東河原町にある宮崎財産区の土地13.5ヘクタールを借り、岡崎信用金庫が協賛している。
昨年11月には旧大雨河小学校で苗ポット作りが行われ、地元住民や同信金の職員ら34人が参加。小原理事長が計画の概要を説明したあと、岡崎市内で緑化計画サポート会社を経営する小串重治さん(47)らが指導した。
コナラやアベマキ、クヌギの実(ドングリ)約6000個が用意され、ポットの土に埋めた。作業のあと、山頂に登り標高約500メートルの景観を楽しんだ。苗ポットは希望のあった宮崎、常磐東、梅園の小学校3校に配られ、児童が世話を続けている。
育てた苗木が2、3年後に高さ1メートル近くになると、山頂の約1200平方メートルに植える。成長の度合いを見ながら間伐し、最終的には100平方メートル当たり5、6本に減らし、樹間に日光が差し込むようにする。
この苗ポット作りは今後も続け、植樹する範囲を拡大していくという。プロジェクトでは、「森の中で何が起きているかを一般市民にも知ってもらいたい」と苗ポット作りなどに参加を呼び掛け、将来は森林を利用した産業の育成も視野に入れている。
問い合わせは、同NPO法人(57―1450)へ。