気ままにロックを演奏したい―。岡崎市出身の女性3人組ロックバンド「RiLiCheёrs(リリチアーズ)」が今年に入って行われた音楽番組の企画で審査員特別賞を受賞した。中学校入学前からバンドを組む3人は、プロはあえて目指さず趣味の延長として音楽を楽しむ方針だ。(竹内雅紀)
メンバーはリーダーでベース・ボーカルの村松里帆子さん(20)、ギター・ボーカルの佐藤里咲(りさ)さん(21)、ドラム・コーラスの酒井千明さん(20)。
3人は幼なじみで幼稚園、小学校、中学校は同じ。佐藤さんがガールズバンド「中ノ森BAND」にあこがれて中学校入学前に村松さんや酒井さんに声を掛けたのがきっかけ。佐藤さんは「自転車に乗りながらの軽いノリだった」と振り返る。
当初は4人だったが中学2年で3人体制になり、その年の文化祭で初ステージを踏んだ。高校は3人とも別々の学校だったが「ライブハウスで演奏したい」という思いから集まって練習を積み、高校2年時に市内のライブハウスで“デビュー”した。
その後、ライブハウスを運営する音楽プロダクションの意向でメーンボーカルの1人を加えた4人で平成22年3月に「ピットスポルム」というバンド名でCDデビュー。市内1店舗で500枚限定発売。村松さん作曲、全員作詞の「サクラ流星群」(100円)を収録したシングルCDはあっという間に完売した。しかし、音楽性の違いからボーカルが抜けてバンドは解散。「今思えば自分たちの意志ではないバンドだった」と漏らす。
高校卒業後に3人は再び集まり、週1回のペースで練習を始めた。現在のバンド名はそれぞれの名前の頭文字をとった「リリチ」と、応援や乾杯を意味する「チアーズ」を組み合わせた。
昨年、NHKの音楽番組「Uta-Tube」内の若手ミュージシャン応援企画に村松さんの母親が応募し、第7期(1月)グランプリに選ばれ、24年度の総合グランプリ大会で審査員特別賞を受賞した。審査員からは「楽しさが伝わってきた」と評価され、自信につながった。
大学生や社会人となり環境が異なる現在は、それぞれの予定を合わせる形で練習に励んでいる。アップテンポな曲が主流のオリジナル曲は10曲あり、ライブなどで披露している。「プロは考えていない。ゆるりと楽しく気ままにロックをやりたい。地元のイベントにもっと出て、いずれはリリチとしてCDが出せたら」とマイペース路線を崩さない。
出演情報はツイッターで検索。アカウント名「@cheers_rock」。