岡崎市消防本部は12日、心肺停止状態になった同僚を胸骨圧迫(心臓マッサージ)で救ったフタバ産業社員の藤田千城さん(41)=岐阜市在住=を表彰した。
藤田さんは10月8日午前7時5分ごろ、同市高橋町にある同社事務所内で同期の男性社員(41)が突然倒れたことに気付き、意識がないことを確認。心臓も止まっていたことから周囲にいた社員に救急要請を指示し、救急隊が駆け付けるまで心臓マッサージを実施した。男性社員は一命をとりとめ、後遺症もなく約3週間後に職場に復帰した。
同社では毎年、9月に消防職員を招いて防災講習会を開き、救命処置(心肺蘇生法、AED使用法)を学んでいる。藤田さんも2年前に講習会に参加。今回の迅速な処置にも役立ったという。「必死だったが比較的落ち着いて対応できた。同僚が集中治療室から出てくるまでは自分の処置が正しかったのかどうか不安だった」と振り返った。表彰については「偶然の出来事だったが名誉なこと」と話した。
太田茂消防長は「適切な処置が人命救助につながり、心から敬意と感謝を示したい」とたたえた。(竹内雅紀)