太陽が月に隠されてリング状に見える「金環日食」が21日早朝、九州南部から東北南部の太平洋側の広い範囲で起きた。岡崎市では平安時代の1080年以来、932年ぶりの天文ショー。多くの人が期待を膨らませて日食観察用眼鏡をのぞいたが…。
美合小学校では、18日の授業参観の代休日だったが、児童300人、保護者300人、職員30人、学区民150人がグラウンドに集まった。藤井哲也校長(58)は「見えるように祈りましょう」と呼び掛けた。
カウントダウンまでして迎えた金環日食(午前7時29分から4分間)は厚い雲に覆われた。楽しみにしていた児童らは「あ〜」とため息。
しかし、金環日食時間から約10分後に晴れ間がのぞき、部分日食の観察が可能になると、児童らは学校で作った日食観測ボードをかざして「やった〜、見えた〜」と一斉に大歓声を上げた。
6年生の栗田明音さんは「全然見えないと思っていたのでうれしかったです」と笑顔だった。
藤井校長は「子どもたちには太陽や地球、両親に感謝するよう言い聞かせています。命があるからこそ日食を観察できるチャンスも生まれます」と話した。岡崎で次回、金環日食が見られるのは29年後の2041年10月25日。(竹内雅紀)
豊田市上鷹見小学校では“金色のリング”が観測できた。午前6時50分ごろ、雲間から太陽の光が見えるようになった。同55分には太陽が完全に顔を出し、観察用の眼鏡を掛けた児童や保護者らは「月みたいに欠けていく」と歓声。
保護者の鈴木光行さん(47)が望遠鏡を通して投影板に映った太陽を見ながら、「これは月の影だよ」などと解説。4年生の宮戸祐貴君は「太陽がリングみたいになって面白い」と目を輝かせた。