岡崎市内で今年11月1日から12月2日まで開かれる国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2013」の地域展開事業「(仮称)岡崎アート&ジャズ2012」。同市の担当者とジャズに携わる市内のボランティア団体代表らはこのほど、同市福祉会館に集まって意見交換会を開き、「ジャズでおもてなし」をコンセプトに同事業(まちなかジャズ事業)を共同で企画していくことを決めた。(今井亮)
市は同事業に今年度計上した予算600万円のうち125万円を、同事業期間中の土日と祝日に来場者をジャズで迎える「まちなかジャズ事業」の運営に割り当てる。行政主導ではなく、ボランティアが培ってきた経験やノウハウを生かしたユニークなアイデアを積極的に取り入れていくことで、結束を図る狙いだ。
意見交換会では市側が、集まったボランティア代表らの意見を募ったうえで、企画への協力を提案。「ジャズと言えばライブ」によらない方法が企画の方向性の課題として持ち上がり、ボランティアの参加者からは「イメージが沸かない」「限られた少ない予算でできることは限られる」などの戸惑いも。一方で、「大変さを先に考えたら何もできない」「できる方法を模索することが大切なのでは」「団結なくして成功はない」などの声も上がった。
各ボランティアの意見を取りまとめていくコーディネーター役は、市が所有する内田修ジャズコレクションの活用事業を委託されているNPO法人「ブルー・ウェーブ・ジャズ・フォーラム(BWJF)」に託された。今後は、5月9日の第1回あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会(愛知芸術文化センター)の開催を経て意見交換会を開いていき、企画を固めていく。
市の担当者は「ボランティアの経験や知恵を生かしてジャズを『心温まるおもてなし』として現代アートを盛り上げ、観光資源との相乗効果を図りながら岡崎の魅力を国内外に発信したい」。
BWJFの柴田剛太郎理事長(64)は「多彩な意見を出し合いながら、各ボランティアに理解を求めていく。内田修さんと交流があったり、地元で活動したりするミュージシャンによるライブをはじめ、レコードや機材などの内田コレクションを全面に出していく企画を考えている」と話している。