東海愛知新聞バックナンバー

 4月17日【火】

■桜の花びらに復興の願い

ボランティア森さんに託す
宮城県七ヶ浜町へ パピーズ会員たち

岡崎市災害ボランティアに登録している森渉さん(43)=同市土井町=に15日、東日本大震災被災地・宮城県七ヶ浜町に贈る〈桜の木〉が渡された。市図書館交流プラザ(りぶら)のスタジオで練習を続けるパピーズ子どもミュージカル(三輪夏世代表)の会員55人が、復興への願いの言葉を紙の花びらに書いた。森さんは5月の連休中に現地に持って行く。(大津一夫)

森さんは昨年5月、市と市社会福祉協議会が派遣した第1回市民ボランティアに参加。その後も介護士の仕事のかたわら、これまで計7回、延べ約30日にわたり七ヶ浜町で活動。今年3月28、29日には関東と関西の学生が主催し同町で開かれた「復興促進フェスティバル」に、長男で六ツ美北部小学校4年・翔愛君(9)とともに参加した。イベントでは、食品バザーの売上金の半分を被災地に贈った。

■言葉で励まそう

家族や財産を失い仮設住宅で生活する人たちを言葉で励まそうと、2月に「桜の花プロジェクト」を企画。市災害ボランティアの仲間の愛知産業大学教授・吉田修さんに相談したところ、パピーズを紹介された。

3月、パピーズの子どもたち一人一人に紙の花びらを渡し、それぞれの願いを書いてもらった。保護者が集まった花びら55枚を模造紙に貼り、満開の〈桜の木〉に仕上げた。

■「真剣に考え感動」

花びらには「一日一日を大切に」「東北の復興で日本の再生を」など、園児から中学2年生までの会員の気持ちが込められている。代表の三輪さんは、「子どもたちの率直な思いが書いてあり、被災地のことを真剣に考えていると分かり感動しました」と言う。

パピーズの練習場で〈桜の木〉を受け取った森さんは、「現地では、がれきの処理もまだ続いています。子どもたちのメッセージは、将来への不安を抱えている被災者の励みになると思います」と話している。