岡崎市蔵次町の熊野神社で15日、恒例の「どぶろくまつり」が行われた。9月下旬から仕込まれた約26リットルのどぶろくは神事後、参拝者に振る舞われた。
同町のどぶろくまつりは、明治時代には既に行われていた伝統行事。現在では、5世帯がどぶろく造りを輪番制で担当し、地元産米のミネアサヒ約13キロに麹(こうじ)と水を加えて仕込む。今年は例年より少し早い9月25日に仕込みを開始し、当番の小林晃さん(76)が毎日朝と晩にかき回し続けた。
この日はあいにくの雨だったが、午前9時ごろから小林さんらが境内の御酒殿から樽を本殿まで運び出した。本殿では、樽から取り出した米粒を石臼でひいてどぶろくに仕上げて瓶詰めした。小林さんは「9月下旬は気温も高く、発酵が早かった。コメは昨年よりも良く、どぶろくに適した出来だった」と満足そうに語った。
午後2時からは神事が行われ、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った後、一般参拝者らがどぶろくを味わった。(竹内雅紀)