東海愛知新聞バックナンバー

 7月9日【土】
岡崎市の鳥

■ハクセキレイ 中心街で子育て


野畑証券社屋2階
夫婦で餌運び4羽がすくすく

岡崎市の鳥、ハクセキレイが同市中心街で子育てをしている。康生通西3の野畑証券の社屋2階。東向きの壁面のわずかな隙間に巣を作り、4羽のひな鳥に親鳥がせっせと餌を運んでいる。岡崎野鳥の会の会長・杉浦清丸さんによると、「こんなに間近でハクセキレイの子育てが見られるのは、極めて珍しい」という。(大津一夫)

野畑証券の野畑裕司社長によると、ハクセキレイの巣作りに気が付いたのは1カ月ほど前。夫婦で枝などを運び、立派な“マイホーム”が完成した。

1週間ほど前には4羽のひな鳥が誕生。親鳥は5、6分ごとに飛び立ち、餌をくわえて戻ってくる。まず巣から少し離れた場所に止まり、周囲の安全を確認したうえで素早く巣に入る。

同社の2階トイレから巣の中がよく見え、大きな口を開けたひな鳥に親鳥が餌を与える様子が観察できる。

渡り鳥のハクセキレイは冬鳥で、夏になるとシベリアなどで子育てをする。しかし最近では夏にもまれに、市内で観察されることがある。

確認のため8日、同社を訪れた岡崎野鳥の会の杉浦会長は、「野鳥の観察を始めて10年以上になるが、こんなに間近でハクセキレイの子育てを見たのは初めて」と感激。ハクセキレイの子育てはおおむね1カ月で、約20日後には巣立ちが見られるという。

ハクセキレイは体長約20センチ。顔と腹部は白、尾と足、くちばしは黒。すらりとした体型で、長い尾を持つ。

昭和40年代、国道1号に架かる矢作橋で夏の間、ハクセキレイが集団で夜を過ごすのが見られた。当時こうした生態は日本の南限とされ、50(1975)年に市の鳥に制定された。


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