丹精込めて子どもの学校給食を毎日作る調理師、しかしその“正体”は―。岡崎市学校給食協会の調理師ふんする「給食戦隊ツクルンジャー」が、「栄養バランスを守ろう」と、子どもに食育などの大切さを地道に訴えている。きょう19日は岡崎市羽根町のウイングタウンで行われる食育街頭キャンペーンに登場、最も有効な手洗いによる食中毒予防を呼び掛ける。(今井亮)
給食の調理作業で使用する白衣にビニールのマントをなびかせ、量販されているパーティーグッズの覆面を被(かぶ)ったいでたち。ふんするのは同市北部学校給食センターに勤務する調理師、村松裕明さん(36)、山下与仕哉さん(35)、天野光啓さん(28)だ。
ほとんど原価のかかっていない、“手作りヒーロー”が誕生したのは約3年前。戦隊ヒーロー物が好きという同協会の後藤芳章さん(38)=南部学校給食センター調理技能副主任=が北部学校給食センター在籍時、子どもに効果的に訴えようと、プロデューサーとなって考案した。
戦隊は5色(レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンク)が一般的だが、ツクルンジャーの基本メンバーは3種類の基礎栄養バランスに沿って色分けしたレッド(村松さん)、グリーン(山下さん)、イエロー(天野さん)。レッドは肉類のタンパク質、グリーンは野菜類のビタミン群、イエローは米類の炭水化物を表している。イベントによって、ブルー(海産物)とピンク(果物)も登場する。
主な活躍の舞台は岡崎中央総合公園で毎年開かれる食育メッセ。ツクルンジャーはこれまで、健康を脅かす食中毒や生活習慣病の“化身”である「食中毒大王」「メタボリック魔王」を撃退してきた。早寝、早起きをテーマにする今年は、規則正しい就寝・起床を邪魔する「ダルダルキング」と対決する。
きょうの食育街頭キャンペーンについて、レッド、グリーン、イエローの3人は「自分たちの活躍から、食中毒を防ぐ手洗いを覚えて帰ってほしい」と口をそろえた。