岡崎市は、「市有建築物管理保全基本方針」を策定し、市有建築物1022施設2505棟の長寿命化を図る。3日の3月定例市議会の代表質問で、山本雅宏議員(日本一愛知の会 岡崎)の質問に対し、加藤邦彦副市長が答弁した。(今井亮)
長寿命化の対象となる延べ床面積100平方メートル以上の建築物の多くは、高度経済成長期の1960年代後半からバブル期の90年代後半にかけて建築された。現在、老朽化が急速に進むとされる築30年以上の建築物は全体の3分の1、3年後には5割に達する。
市の予測では、老朽化した建築物は11年後に一斉に建て替え時期を迎える。新築以外の建築物の維持費と改修・修繕費に改築費を上乗せすると、単年度で総額200億円が必要となる。しかし、先行き不透明の景気と少子高齢化に伴う就業人口の減少から、予算化は困難と判断した。
基本方針では日本建築学会の算定式に基づき、目標耐用年数を80年に設定。建築物の中長期的な保全工事を行い、目標耐用年数に近づけると同時に、工事の集中による財政負担を避ける“財政の平準化”を目指す。工事発注などの維持管理業務は建築課に一元化する。