幸田町教育委員会は6日、定例会を開き、一昨年に同町深溝、本光寺の大名墓所で見つかった小判や西洋風ガラスコップなどの副葬品一式(162種類841点)を町文化財に指定することを決めた。「松平忠雄墓所出土品一式」は同日付で告示、29番目の指定文化財となった。国の文化財指定を目指す町にとって一歩前進した形だ。
主な指定理由は「大変貴重。広く知ってもらい、後世に残す必要がある」などとしている。
副葬品は深溝松平家七代忠雄の墓所から出土。同墓所は3年前の豪雨で破損し、修繕目的で専門家が発掘調査をしたところ、慶長小判や一分金、コップ、蒔絵(まきえ)の印籠(いんろう)などが見つかり話題となった。また、忠雄をはじめ深溝松平家歴代当主が眠る東西御廟所は昨年1月に町文化財に指定されている。
本光寺の鶴田悟裕副住職は「うれしい限り。次世代に残す意味でも大きなこと」と喜び、6月に同寺で開かれるあじさいまつりで未公開の一部の副葬品の公開を示唆した。