古い民家を改装した私設図書館「めだか文庫」を運営している保護司の小林邦夫さん(72)=岡崎市元能見町=がこのほど、内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室の「子ども若者育成・子育て支援功労者」(子育て・家族支援部門)として、首相官邸で内閣府特命担当大臣表彰された。(今井亮)
小林さんは、昭和30年代に建てられた自宅敷地内の古い木造2階建て家屋の内装を全面改装。私費で購入したり、払い下げとなった同市図書館の本を譲り受けたりして3000冊を集め、平成13年5月に「めだか文庫」をオープンした。
友人知人から不要になった本の寄付を受けて、現在は童話集2000冊、漫画1000冊、単行本・文庫本2000冊の計5000冊が並ぶ。毎週木曜日と土曜日の午後2時から6時まで開館し、その場で登録できる会員制で本を貸し出している。貸し出し期間は設けず、子どもだけでなく、大人が楽しめる本もそろっており、小規模の私設図書館ながら約600人が会員登録をしている。
また、読み聞かせや親子を対象にした紙芝居の実演、カレンダーやうちわづくりなど、多彩なイベントを開き、子どもと子育てに励む保護者の支援活動が評価された。
「めだか文庫を活用した構想はたくさんあります」と小林さん。「子どもと親子がふれあう場なのはもちろん、絵手紙教室や読み聞かせ教室など、活発な市民活動の場にもしていきたいですね」と意欲を見せている。
内閣府特命担当大臣表彰は「子育て・家族支援部門」と「子ども・若者育成支援部門」。都道府県などから推薦があった28企業、119団体、70人の中から4企業、21団体、8人が表彰された。