岡崎市美術博物館で11日から、特別企画展「茶の湯の文明開化」が開かれる。幕末から明治の激動の時代に活躍した三河国奥殿藩出身で裏千家11代家元・玄々斎精中宗室の生誕200年を記念したもので、玄々斎ゆかりの茶道具など約200点を展示。当時の茶の世界、玄々斎の生涯や功績などを紹介する。(竹内雅紀)
玄々斎は、文化7(1810)年に奥殿藩4代当主・松平乗友の子として生まれ、10歳で裏千家10代家元・認得斎と養子縁組。6年後の文政9(1826)年に11代家元を継承した。古来の物を研究・保存することの重要性を説き、明治政府に茶道の精神や意義を上申する一方で、時流に合わせていすを使った立礼式を考案するなど茶の世界に新たな風を吹き込んだ。
企画展では、京都・裏千家所蔵の資料をはじめ、玄々斎の代表的な墨蹟や茶道具などを展示。玄々斎の意思を継いだ裏千家12〜15代家元の名品や、現在の岡崎市奥殿町に陣屋を構えた奥殿松平家について紹介するコーナーもある。また、期間中は関連イベントとして講演会や茶道講座、展示説明会、バスツアー、呈茶会などもある。
11月7日まで。9月は午前10時〜午後6時、10月以降は午後5時まで。入場料は一般800円、小中学生400円。市内の小中学生と各種障害者手帳の交付を受けている人とその介助者は無料。毎週月曜日休館(20日、10月11日は開館し、翌日が休館)。
問い合わせは、同館(28―5000)へ。