岡崎市城北中学校が平成3年3月に植樹した「ニュートンのリンゴ」の実が、8月30日午前7時23分、木から落ちた。7月9日から設置してあった観察用ビデオの画像で確認した。開校30周年記念で植えてから19年目。初めての果実に生徒も教職員も喜んでいる。(岩月健)
毎朝水やりをしている同校教務主任中村郁夫教諭は、この日も午前7時ごろに水やりを始めた。1時間ほどして様子を見に行ったところ、木の下の芝生の上にリンゴが落ちているのを発見した。
すぐにビデオを再生してみると午前7時23分30秒に枝から落ちてくる“物体”を確認。芝生に落ちていたリンゴとの位置関係も合致したことから、落ちたリンゴと特定できた。
この木は東大の植物園(東京・小石川)から譲り受けた。万有引力を発見したニュートンの自宅庭に植えられていた木の“子孫”と伝わる。中村教諭は「ビデオを何度も見て確認した。自分がニュートンの見たリンゴと同じリンゴを見ていると思ったら震えが来た」と感動を語った。
リンゴの木はこれまで、理科部の生徒や教職員が世話をしてきた。実が色づき始めてから、廊下に観察記録用ビデオを設置して24時間録画して見守ってきた。
収穫前のリンゴは全部で18個。31日、出校した理科部員が青いもの4、5個を残して収穫した。
同校では、2学期の始業式があるきょう1日、落下の様子を記録したビデオを全校で見る。このあと、「落ちないうち」に収穫したリンゴを、ゲンをかついで受験シーズン入りを前にした3年生が試食する。