岡崎市樫山町、森の総合駅で「おかざき大昆虫展」が開かれている。毎年、夏休みに子どもたちに昆虫に親しんでもらおうと開催。今年は特に、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にちなみ、生態が理解できるよう展示にも工夫した。
市の天然記念物に指定されているヒメハルゼミをはじめ、カブトムシ、クワガタ、トンボ、チョウなど世界の昆虫の標本を含む約1300点と、昆虫が描かれた切手も展示。
初の試みは「樹液に集まる昆虫」。コナラとアベマキに集まる昆虫を、夜と昼に分けた。昼はニイニイゼミ、モンキアゲハ、夜はクワガタ、カミキリ、マイマイガの標本を展示してある。
このほか、世界最強のカブトムシと言われるコーカサスオオカブト、羽を広げると20センチにもなるテイオウゼミ、光沢のある羽が特徴のアモルファスチョウや、フナ、ミズスマシ、ゲンゴロウなどが泳ぐ水槽も置かれている。
毎年人気を集めているのが、生きたカブトムシを展示したコーナー。網をかぶせたコーナーに子どもたちが入り、カブトムシの感触を楽しんでいる。
小学校1年生の男児は「家の近くで捕まえたことがある。もぞもぞした感触が面白い」と目を輝かせていた。
無料で楽しめる昆虫クラフトコーナーでは、紙を切り抜いて昆虫の模型作りが楽しめる。
滋賀県長浜市からやって来た男性は「妻の実家が岡崎にあるので、里帰りしました。子どもと一緒に楽しみましたが、私の方が夢中になってしまいました」と笑顔で話した。
標本などの展示に協力した岡崎市山中町の大平仁夫さんは、「地球温暖化の影響で、夏にしか見られなかった昆虫が冬でも飛んでいるようになった。市内でも多様な生き物が生息していることを知ってもらうと同時に、地球温暖化の防止にも関心を高めてほしい」と話していた。
同展は22日まで。月曜日は休館。