岡崎市と豊田市を主な舞台とする地域密着型映画「幸福な結末」が、8月にクランクインする。スタッフや出演者の多くは西三河地域在住で、地元の人が制作に携わる市民参加型の映画。25日に岡崎市役所で会見した制作スタッフは「中央(東京制作)には負けない作品にしたい」と意気込みを語り、全国劇場公開を視野に地域活性化を目指している。(竹内雅紀)
映画の主人公は、地方で孤独な生活を送る中年絵本作家。盗作疑惑をかけられ、絶望した末にビルの屋上から身を投げるが、落下途中に見知らぬ少女が現れる。その瞬間に主人公と少女が入れ替わり5日前にタイムスリップ、死を選ぶようになった自分を客観的に見つめ直す―というヒューマンファンタジー。
上映時間は約2時間で、デジタルハイビジョン撮影。制作費は400〜500万円に抑える。
ロケ地は岡崎市内では康生周辺や大樹寺、シビコ、豊田市内では名鉄豊田市駅、足助地区、下山地区など。8月の1カ月間、合宿形式で撮影する。スタッフは、監督の刈谷市在住の小学校教諭岩松顯さん(42)ら約20人。出演者は、豊田市で行ったオーディションなどで選ばれた約70人。全員が無報酬のボランティアで参加する。この種の映画制作は珍しいという。
高校時代から映画の撮影に携わっている岡崎生まれの岩松監督は「地元の人たちが地元で力を合わせて制作する。思い込みが1つ変わるだけで幸せになれるということを感じてもらいたい。西三河発の映画で地域活性化を目指したい」と話している。6月5日午後2時から、岡崎市図書館交流プラザ(りぶら)で制作発表会を開く。
映画は来年初頭に完成予定。東京で春に開かれる映画祭に出品し、5月に西三河地域の数カ所で完成披露上映会を開催する。
現在、エキストラやサポーター、企業や団体の支援などを募っている。連絡先は、幸福な結末制作プロジェクト岩松組(0565―78―0988)へ。