東海愛知新聞バックナンバー

 5月12日【水】

戦国武将料理 美味にて候

幸田・浄土寺で特別祈祷祭

幸田町大草の天台宗の古刹(こさつ)・浄土寺(飯田大全住職)で11日、護摩供祈祷(きとう)祭が開かれた。祈祷者には戦国武将が食べたとされる料理が振る舞われ、大盛況。まちおこしの第一歩を踏み出した。

同町深溝に居城を構えていた戦国武将松平家忠(1555〜1600年)が記した「家忠日記」には、毎年のように5月11日に家臣や家族らを連れて同寺で祈祷を受けたことが記されている。今回、飯田住職がその史実を基に護摩供祈祷祭を初めて挙行。また、日記にあった献立図をほぼ忠実に再現し、先着90人の祈祷者にもてなした。

■申し込み枠すぐ埋まる

90人の事前申し込み枠は、複数のメディア報道(本紙5日付)などにより、すぐに埋まったという。同町をはじめ、名古屋市や一宮市などから20代〜70代の男女が訪れ、地元住民は「こんな境内のにぎわいは見たことがない」と目を丸くしていた。

祈祷者は、本堂で同町学芸員神取龍生さんの歴史文化財説明を聞いた後、15人ずつに分かれて本尊(木造薬師如来坐像)の前で祈祷。「家内安全」「身体健康」などの願いが書かれた護摩木を、飯田住職が読経しながら燃やした。祈祷後には“戦国料理”を味わい、非日常空間を満喫した。

■関心の高さに住職びっくり

一宮市の60代の主婦は「祈祷も料理も最高だった。来て良かった」と話していた。飯田住職は「皆さんの関心の高さにびっくりしています」と、反響の大きさに驚きを隠せない様子だった。

祈祷祭では、地元住民らによるボランティアが受付や誘導、案内などを手伝った。


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