岡崎市美合町、県青年の家1階ロビーに開所50周年を記念する巨大な壁画が設置された。岡崎城と県の花カキツバタなどが、約4万個のペットボトルのキャップでデザインされ、話題になっている。来年春まで展示される予定。
同施設では今年4月、50周年事業を検討。8000個で子ども1人分のワクチンになるペットボトルのキャップを集め、壁画を描こうと企画。県立岡崎商業高校商業美術部に依頼し、8月にはデザインが完成した。
地域の学校、子ども会などに協力を呼びかけたところ、美合小学校4年生と、緑丘小学校、小豆坂小学校の子ども会、人間環境大学の学生のほか、愛知学泉大学エコキャップサークル、同施設で開かれている講座の受講者ら約200人が協力。デザインを基に、赤、青、白などカラフルなキャップを、つまようじで発泡スチロールの“キャンバス”に固定しながら絵柄を完成させた。
壁画は縦5.4メートル、横7.2メートル。天井までを使った画面に岡崎城、カキツバタと、光と輝きを表す太陽、水と未来を象徴する水晶、生命の広がりを表現した植物がデザインされている。
11月3日は同施設で50周年記念式典が開かれ、出席者に披露された。
赤堀隆所長は「持ち寄ったキャップを取り付ける作業で、子どもたちや利用者の交流ができました。ペットボトルのキャップを集めることでエコ活動をアピールし、世界の貧しい国の子どもたちにワクチンを贈る活動にも協力できる」と話している。
来年春には壁画を取り外し、使われたキャップは世界の子どもたちにワクチンを贈る活動をしている市民団体に寄贈することにしている。
昭和34(1959)年1月に開所。和室、洋室合わせて82室の宿泊施設(定員180人)と、研修室、体育館、野外にはテニスコート2面、野外炊飯場、芝生広場などが整備されている。
年間宿泊者は約2万人、研修会、講座などの受講者を含めると5〜6万人の利用者がある。