東海愛知新聞バックナンバー

 11月15日【日】

声を生かしプロに

『手足のないチアリーダー』佐野さん
明るさと元気伝えたい
FMおかざきの講座に参加

『手足のないチアリーダー』を出版したばかりの佐野有美さん(19)=豊川市在住=が、岡崎市羽根町のFMおかざきで「パーソナリティー養成講座」を受講している。将来は声を生かして、声優かタレントになるという夢を実現するためだ。ハンディを感じさせない明るさで、受講生仲間にも人気がある。

佐野さんは先天性四肢欠損症で生まれた。わずかに30センチほどの左脚と、3本の指。

小中学校を卒業後、豊川高校に入学。チアリーディング部に所属した。

小さいころからタレントにあこがれた。「ハンディがあっても声で自分を表現できる。明るさと元気を多くの人に伝えたい」

同校を卒業後、インターネットでFMおかざきの養成講座を見つけ、9月から受講。毎月第2、第4金曜日に開かれ、早口言葉など発声の練習をしている。

今月3日には、同ラジオの「I LOVE 岡崎らぶっちゅ」枠で生番組に出演。「青春時代の思い出」をテーマに、受講生とペアでパーソナリティーを務めた。

「初めての生放送で、間違えてはいけないと緊張しました」。あとで録音を聞き「少し沈黙が多かったかな」と反省した。

放送のあとリスナーから2通のファクスが届き、インターネットを見ていた友人から「出ていたね。よかった」と連絡があった。

ほかに豊橋市内のボイストレーニング教室に通い、家では電子ピアノにも挑戦。Jポップのファンで、友人とカラオケを楽しむ年ごろの女の子。今年夏の中京テレビ「24時間テレビ」に出演し、話題を集めた。

佐野さんは「小さいころから『かわいそう』と言われてきたけれど、ハンディは神様からのさずかりもの。声優かタレントのプロになるという夢に向かって頑張ります」と話している。

『手足のないチアリーダー』 佐野さんの生い立ちから自分のハンディを自覚し、周囲の理解で地元の小中学校に入学、豊川高校で学園生活を送るまでの様子が生き生きと書かれている。主婦と生活社から出版。B6判、189ページ。1,260円。


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