第45回衆議院議員総選挙が30日、投開票された。愛知12区(岡崎、西尾市、一色、吉良、幡豆、幸田町)では、党への追い風を受けた中根康浩氏(民主元)が当選、4年ぶりに国政へ復帰。杉浦正健氏(自民前)は落選した。12区の投票率は前回の衆院選(平成17年9月11日)を2.99上回る74.07%で、有権者の高い関心が示された。
“民主王国”といわれる県内の小選挙区の中でも、23年間にわたって杉浦氏を支える厚い保守地盤を堅持してきた12区。だが「政権選択」が最大の焦点となった今回の衆院選では、全国的な民主の勢いに乗った中根氏が、杉浦氏の固い地盤を突き破った。
陣営は序盤から優位に選挙戦を進めた。公示前には鳩山由紀夫代表や岡田克也幹事長ら“党の顔”が選挙区入りし、勢いを後押し。
中根氏は票田の岡崎市をはじめ、事務所を開いた西尾市や郡部にも力を入れ、きめ細かな街頭演説や個人演説会を中心に展開。郵政民営化に沸いた4年前の衆院選で苦杯をなめ、余儀なくされた“浪人生活”からの返り咲きを実現させた。
対照的に、4年前の勢いが逆風に転じた杉浦氏は選挙戦終盤まで苦戦を強いられた。党規定の年齢制限で比例東海ブロックの名簿に記載されず比例復活はないため、これまでの実績を強調したが、7選には届かなかった。
比例代表選を重視した八田廣子氏(共産新)は選挙運動期間中、東海地方を回る日が多く、代わって陣営が地道な街頭演説などを繰り広げるなどして支えたが、伸び悩んだ。後神芳基氏(諸新)は、街頭演説など独自の“草の根活動”を展開したが、浸透度の低さに健闘及ばなかった。