大丸・松坂屋持株会社「J・フロントリテイリング」と連結子会社の「松坂屋」は業績低迷などを理由に、松坂屋岡崎店(岡崎市康生通西3)を、来年1月31日をもって閉店する。25日、松坂屋の茶村俊一代表取締役社長が同店で行った記者会見で発表した。長く親しまれてきた老舗百貨店は、38年間の歴史に幕を下ろすことになった。
記者会見で茶村社長は「長年ご愛顧いただいたお客様、康生地区の商業者と顧客様にはご迷惑をおかけするが、苦渋の選択として理解していただきたい」と述べた。
松坂屋岡崎店は昭和46(1971)年4月、岡崎市の中心市街地の康生地区に開店。ピーク時の平成3年度には年間約130億円を売り上げた。しかし、郊外の大型ショッピングセンターが業績を上げる中、康生地区は人通りが少なくなり、同店の業績は伸び悩んでいた。昨年度の売り上げは50億4,200万円まで落ち込み、「これ以上の業績回復の見通しは立たない」と閉店を決断した。
同店に勤務する社員42人の処遇については雇用を継続するが、契約従業員51人は原則として会社都合退職の扱いとなり、退職に伴う条件については今後、労組と協議を進める方針。閉店による損失額は約10億円になる見込み。