岡崎市甲山中学校3年生、高橋捷也君(15)=稲熊町=が、東京・後楽園で今月9日に開かれたU-15ボクシング大会(同大会実行委員会主催)中学生52.5キロ級で優勝した。厳しい減量を克服しての勝利で、「うれしい。将来はプロになりたい」と夢を膨らませている。所属する岡崎ボクシングジムの中村靖雄会長も「精神力が強く、センスもいい」と期待している。
格闘技が好きな高橋君は、小学校1年生で空手を始め、4年生からボクシングに転向した。
「勝ったときの喜びが魅力」という高橋君は、5月3日と6月28日に名古屋市内で開かれた予選で優勝。東海、北陸を含む中部ブロックの代表に決まった。
身長163センチで、普段の体重は55キロ。2.5キロの減量が必要だった。
父親の真也さん(37)と2人暮らしの高橋君は、朝と昼食は自分で考える。朝はグレープフルーツなどの果物。昼食はご飯と納豆、豆腐などを食べ、夕食はなし。大会の1カ月前から取り組み、1週間前には53キロにまで落とした。
しかし、ここからが減量の本番。ほとんど水だけで耐えた。「テレビを見ると食事の場面があるので、見なかった」
大会前日には同ジムの中村恵里子コーチと上京。見守った恵里子さんは「つらそうでしたが、本当によく耐えてくれました」と振り返る。
中学生は35キロ級から63キロ級まで12階級がある。高橋君が出場した52.5キロ級には4人が出場。実力別のAクラスで、1ラウンド1分30秒でKO勝ちを収めた。
父親の真也さんも元プロボクサーで、同ジムでトレーナーを務める。「努力すれば一歩でも前進すると頑張ってきました。捷也の勝利は本当にうれしい」と笑顔に。
現役時代の真也さんは接近して乱打戦に持ち込むファイター。一方の高橋君は離れて得意の左ストレートを打つアウトボクシング。対照的な2人だが、高橋君がプロになれば、親子2代のプロボクサーが誕生する。
「フットワークがよくパンチ力のあるマイク・タイソンが好き」という高橋君は、「高校に進学して、まずインターハイ出場が目標」と目を輝かせている。