幸田町深溝の本光寺で、深溝松平家の墓所から出土した副葬品の展示と見ごろを迎えたアジサイが人気を博し、多くの人でにぎわっている。
深溝松平家の菩提(ぼだい)寺である本光寺は、同家7代当主松平忠雄(1673-1736年)の墓所の発掘調査で見つかった副葬品の一部を、境内の宝物館で一般公開している。
調査では、遺骨のほか、刀4振り、小判43枚、一分金など近代大名家の墓所としては過去最大規模の副葬品が見つかった。今回はそのうち、蒔(まき)絵の印籠やガラス製グラス、銀製ポット、眼鏡など23点と刀装具一式をガラスケースに入れて展示。発掘状況を紹介する写真パネルもある。
公開4日目となった13日も開館前から長蛇の列。館内は熱気に包まれ、きらびやかな印籠や異国情緒あふれる西洋風のグラスの前では、顔を近づけて見入る人もいた。
名古屋市緑区の60代の女性は「グラスは想像よりも大きく、蒔絵はきめ細かくてきれいな柄だった。300年近くたっているのに、このような状態で残っていることに感激。見に来たかいがありました」と喜び、蒲郡市の40代の男性は「小判も見たかったです」と残念そうに話していた。
一般公開は今月の土、日曜日と18,19,22,26日の午前10時―午後3時。有料(300円)。
同寺によると、公開3日間(6,7,12日)で約2000人が訪れたという。
「三河のあじさい寺」として有名な本光寺の境内に咲く約20種類、1万株のアジサイが見ごろを迎えた。
青や白、紫色の大輪をつけたアジサイが、山門までの参道の両側を華やかに彩り、13日は訪れた人たちがカメラに収めたり、スケッチをしたりして楽しんでいた。
鶴田悟裕副住職は「副葬品とともにアジサイも人気です。アジサイの見ごろは例年より1週間ほど早いです」と話している。