岡崎市教育委員会は27日、同市滝町の滝山東照宮本殿に合祀(ごうし)されているほこら(小祀)から、円空作の十一面観音菩薩像を発見したと発表した。
円空(1632-1695年)は江戸時代前期の僧侶で、修行と布教のため、寛文6(1666)年から東日本を中心に行脚。
全国各地で多数の木の仏像、神像を制作し、その数は生涯で12万体と伝わる。これまでに5,200体余が確認され、岡崎市内でも6体が見つかっている。
像は高さ33.5センチ。延宝5(1677)年に彫られたとみられ、円空の特徴であるノミによる荒削りな作風が表れている。
市教委は昨年12月8日、本殿内の彫刻を調査するため東照宮に入り、7社のうちの「白山社」の小祀から像を発見した。像は市美術博物館に移送された。東照宮では像を同館に寄託する予定。