“城の住人”天然記念物に
キシノウエトタテグモ
史跡に生息する希少種
岡崎市
岡崎市は12日、岡崎公園内の岡崎城で生息が確認されたキシノウエトタテグモを、市の天然記念物に指定した。市の天然記念物はこれで32件となった。
キシノウエトタテグモはクモ類トタテグモ科に属する。茶系統の色で、体長は雄が9ミリから12ミリなのに対し、雌が13ミリから17ミリ。岡崎城では本丸を中心とした石垣延長170メートルで、2千匹前後が生息しているとみられる。
トタテグモ科は行動範囲が極めて狭い上に環境の変化に弱く、環境省の準絶滅危惧種と県の絶滅危惧ⅠBに指定されている。県内では、犬山城(犬山市)、八事興正寺(名古屋市昭和区)、熱田神宮周辺、豊田市王滝町で確認されている。
キシノウエトタテグモの生息地は岡崎市に限らないが、同市は「市の史跡に生息する希少な動物として保護が必要」としている。