目標持ち挑戦続ける
車いすの教諭鈴木さん
父親と共著で本を出版
中学2年生の冬に交通事故で両足を失った岡崎市宇頭町、鈴木良美さん(25)と、鈴木さんを支えてきた父繁雄さん(55)の共著『先生、どうして足がないの?』(B6判、156ページ)が出版される。
鈴木さんは一昨年4月から、梅園小学校に勤める現役教諭。障害者としては県内で初めて教員に採用された。初めは子どもの安全管理が不安だったというが「子どもたちや周りの協力があり、できる範囲ですが何とかやれている」と鈴木さん。4年生の副担任として子どもたちに算数を教えている。
著書は、鈴木さんが岡崎大橋の凍結によるスリップ事故で両足を失い命の危険にさらされたことから、リハビリ生活、光ヶ丘女子高校での体験までを父繁雄さんが記憶をたどりながらつづり、愛知教育大学への進学、車いすマラソンや教員採用試験など、その後の目標を持って挑戦を続ける日々を鈴木さん自身が主に書いている。
執筆を始めたのは一昨年9月、「健常者としての14年間、そのあと障害者として生き、2つの人生で学んだことを伝えるのが使命ではないか」との思いからだった。
鈴木さんは「夢や目標を持っていれば今生きていることに価値が出てくる。学力も大事かも知れないけど、子どもたちには精神的に自分を確立していってほしい」と話す。
自費出版で1,800部印刷。市内の小中高校に寄贈されるほか、25日ごろに市内の書店に並ぶ。1,300円。