岡崎市教委がアクション・プラン策定
いじめ・不登校など解決へ
「いのちの教育」推進
“人権”や生徒指導充実
岡崎市教育委員会は13日、市内の中学生がかかわったホームレス連続襲撃事件、いじめ問題、不登校の3つに重点を置いた「いのちの教育」アクション・プランを発表した。
これら3点を岡崎市の教育の喫緊の課題と位置づけ策定。解決への取り組みとして、「岡崎市『いのちの教育』アクションプラン策定協議会」の立ち上げ▽全小中学校での人権教育の一層の推進▽中学校での生徒指導の充実―を柱にしている。
策定協議会は、行政、学校、家庭、地域の代表28人で構成。原因や背景を明らかにして、具体的な対応策を講じるための「いのちの教育」推進計画を今年夏までに策定して冊子にまとめ、全児童生徒の家庭に配布する。また、学校や家庭、地域の役割を明確に示していく。
人権教育の推進では、小中学校教諭で特別委員会を組織し、子どもたちが人権の意義や内容を理解できるような発達段階を踏まえたカリキュラム作りや、12月を「いのちの教育」強化月間に設定することなど6項目を掲げている。
生徒指導の充実では、生徒指導主事が非行傾向や不登校生徒の指導支援に力を注げるように、同主事の授業を補う非常勤講師を採用する。以前から教育現場からの要望が強かったことなどから、15学級以下の中学校で非常勤の採用を認める県とは別に、市独自で採用を決めた。
また、市教育研究所で行っている親子の相談活動を充実させるため、現在3人の臨床心理士を1人増員する。
さらに、現職警官による生徒の継続面談、おやじの会などによる午後八時以降のパトロールなどを実施する。
なお、昨年4月から12月末までの臨床心理士への相談件数は、717件。前年対比136件増。予約から1カ月ほどたたないと相談が受けられない状況となっている。ホームレス襲撃事件にかかわった生徒も小学校6年生時に学校の勧めで相談を受けるはずだったが、保護者が無断でキャンセルしたため行われなかったという。