子どもが見つめる岡崎
『風土記』と『文集』合本刊行
今を生き生きとらえ
額田地区初参加
岡崎市現職研修委員会国語部(部長・石川比朗志岡崎市美川中学校長)はこのほど、10年ごとに刊行している『子ども岡崎風土記』と毎年刊行の『文集おかざき』を1冊にまとめた『市制90周年 岡崎市額田町合併記念合本 子ども岡崎風土記・文集おかざき』を刊行。B5判で、風土記が189ページ、文集が162ページで合わせて351ページの大冊になった。
風土記は昭和50(1975)年、市制60周年を記念して刊行したのが最初。岡崎の今の姿を子どもたちの目で見つめ作文に残すことを目的に編集された。
4回目の今回は、額田町合併後初めての刊行になることから、第3章「花と緑のふるさと」の中に「自然あふれる額田」の見出しを付け、夏山川、下山のササユリ、くらがり渓谷、乙川のすばらしさを紹介している。
第1章「広がる岡崎」では、矢作町の国道1号の拡幅や日清紡美合工場付近の変化、JR岡崎駅周辺や名鉄東岡崎駅南口、中心市街地など、新しい街づくりの様子を取り上げている。
第2章「息づく伝統」では、各地の祭りの様子や鳥川町の石仏、大平一里塚など歴史的文化遺産に目を向ける。
第4章「くらしを支える産業」では、八丁みそ、酒造り、石工団地など地場産業や農業の現在、商店街の移り変わりが総合学習を通して調べられている。
第5章「共に生きる」では、お年寄りや障害を持つ人たちとの交流や環境問題に取り組む小中学生の思いが述べられている。
どの作文も現地を訪ね、歴史を調べて書かれており、読みごたえ十分。また、“ふるさと岡崎"に寄せる小中学生の熱い思いが伝わってくる。
丹羽郁人編集委員長(甲山中教諭)は「市制90周年を迎えて広がり、前進する新生岡崎を子どもたちの目が生き生きととらえています。読み物として読んでも、辞典のように使ってもいいと思います」と話している。
「文集おかざき」は、その年ごとの子どもたちの詩や作文の集大成。市内69小中学校の33,337人の児童生徒の作品の中から、国語担当の先生が選んだ詩27点、作文80点が学年別に収録されている。
編集担当者は「子どもたちの暮らしや物事の見方、考え方が素直に表現され、子どもを理解するうえで貴重な作品集です」と一読を勧めている。
購入希望者は、甲山中・丹羽郁人教諭(22―2664)へ。1冊900円。