西三河の水循環再生
流域越え計画策定へ
協議会設立
自治体、森林組合など協働
県民の生活、産業、環境を支える水循環の再生をはかる西三河地域水循環再生地域協議会の設立会議が19日、岡崎市明大寺本町の西三河総合庁舎で開かれた。西三河の水循環の現状や課題などが説明され、構成員らが協議会の今後の指針などを討論した。
46機関で構成
県は昨年3月、行政と民間が協働して河川、森林、海の広範囲にわたる水循環の再生に取り組む「あいち水循環再生基本構想」を策定。地域の特色が異なるため、尾張、西三河、東三河の3ブロックに分け、それぞれ構想を具体化する協議会の設立を決めた。
西三河地域の協議会構成員は国、県や各市町村、森林組合、農業協同組合、漁業協同組合、商工会議所など46の関係機関。協議会の下部組織となる作業部会(構成員から選出)が、森林の整備・保全、農地保全、市街地の雨水浸透、干潟の再生などを目指す素案を協議会に持ち込み、承認を経て計画を策定する。
設立会議では、協議会座長を務める名古屋工業大学の冨永晃宏教授が「流域を越えた広範囲な協議会。意見を出し合い、少しでも実効性のある計画を策定できれば」とあいさつ。
協議会事務局の県環境部が、西三河の降水量、気温の変動、水質をはじめ、平成12年の東海豪雨に代表される都市型水害の被害額などを発表した。
また、森林、農業、都市、河川・海域の地域別で見る水循環の課題の分析では、「やみくもな計画策定は避けたい」「策定された計画にかかわる関係機関を明確にしたい」などと意見が述べられた。