岡崎で28日
希望を与えるモノづくり
加藤さんが体験まじえ講演
岡崎市牧平町の工房「自助具の館」で、体が不自由な人の自助具を作っている加藤源重さん(71)が28日午後1時から、同市中町の長誉館で「希望を与えるモノづくり」と題して講演する。
加藤さんは平成3年、利き手の右手を点検中の反毛機械に巻き込まれ、親指の付け根だけを残して五指を失った。義肢会社に自助具の製作を断られたため、自ら発明・工夫を重ねて自助具を作った。欠損した指の代わりとなる「万能ホルダー」とアタッチメントをはじめ、「片手用洗濯ばさみ」「くるくるフォーク」など、その数は改良品を含め60種類以上。
12年1月、技術ボランティアグループ「福祉工房あいち」を立ち上げ、愛・地球博瀬戸会場に「希望を与えるモノづくり」のプロジェクト名で出展。加藤さんは講演し、自助具の説明をした。
「手の不自由な方が『ほかの人に手助けをしてもらわずに食事をしたい』と相談に来られた。工夫して道具を作ったら『食事がこんなに楽しいものだとは』と涙ながらにおっしゃった」「障害を持つ人が自分を用具に合わせるのではなく、用具を自分に合わせる。私はそれを作るのです」
だから「不自由な数だけ自助具が要る」と万博前に語っていた。講演会では、加藤さんが15年の道のりを話す。