納税に貢献 国税長官表彰
岡崎の山本教諭と宇野さん
納税に貢献したとして25日、岡崎市六ツ美南部小学校の山本信幸教諭(50)と、県法人会連合会組織委員長・宇野欽也さん(73)=岡崎市花崗町=が国税庁長官から表彰される。被表彰者は77人。このうち教育関係では山本教諭ら4人。表彰式は東京の赤坂プリンスホテルで行われる。
橋本元蔵相と懇談
山本さんの専門は社会科。昭和61(1986)年に岡崎市竜南中学校へ転任後は、政治・経済の授業に取り組み、平成2年から租税教育を始めた。
そのころ、海部内閣の橋本龍太郎大蔵大臣(故人)は消費税率アップを含めた税制改革に取り組んでいた。山本さんは、消費税率アップが中学生の生活に直接影響を受けることから税制問題を考える授業を計画した。
生徒たちは消費税のほか、所得税、法人税、酒税や優遇税制にも踏み込んで学習を深め、その成果をレポート「私の税制改革」にまとめ同年12月、海部首相と橋本大臣に送った。
このレポートを読んだ橋本大臣から中学生に会いたいと連絡があり、山本さんと生徒2人が大臣と会い、税について意見交換をした。
税務大学校の講師
翌3年、日本は湾岸戦争の多国籍軍支援で90億ドルの追加支出を決めた。生徒たちは(1)財源をどうするか(2)今後の日本の対応―について幅広い学習を重ねた末に「追加支援についての意見書」をまとめ、再度橋本大臣に送った。大臣は予算委員会の答弁でこの意見書を紹介し中学生の取り組みをたたえた。
山本さんは現在、教務主任として学校全体の教育活動を企画立案する立場にあるが、租税教育は6年生の社会科の授業のなかで8時間を使って特別に行っている。
昨年3月、谷垣前財務大臣が参議院財政金融委員会で六ツ美南部小の学習成果を紹介し、租税教育の重要性を説いた。
また、平成14年から税務大学校(埼玉県)で全国から集まった税務署員を対象に租税教育のノウハウを教えている。
山本さんは「平成元年の消費税導入に際し、国民から広く意見を求めるという新聞記事を読んで税の授業を始めようと考えた。生徒とともに橋本蔵相と大臣室で対談したのが一番の思い出。受賞を励みに今後も子どもたちの主権者意識を高める授業を続けたい」と受賞決定を喜んでいた。
宇野さんは昭和61年、岡崎法人会の社団化に際し創立会員として尽力。62年から常任理事・組織委員長として会の充実発展に寄与してきた。ちなみに10月20日現在の会員数は4,407社で社団化当初に比べ2.4倍、加入率は65.4%で県下3番目。
平成3年に県連合会の組織委員となり、15年からは委員長として活躍中。法人会役員として永年、申告納税制度の普及・発展に努めたとして今回の表彰となった。
宇野さんは「会の仕事を手伝ってくれと言われて入会したが、20年もたってしまった。組織委員長として加入率を上げるために頑張ってきたことが認められてうれしい」と妻の操さんともども喜んでいた。
岡崎法人会としては、昨年の杉浦惠造さんに続いての表彰になる。