全国大会で
24年の防犯活動に“金章”
井田学区にいち早くパト隊
岡崎の前田さん
東京都港区で5日に開かれた全国地域安全運動中央大会(警察庁など主催)で、約24年間の防犯活動を続けてきた岡崎市井田町の前田泉さん(81)が、警察庁長官と全国防犯協会連合会長の連名による表彰状と防犯栄誉金章を受章した。前田さんは13日、岡崎署を訪れ、井口弘造署長に受賞を報告した。
防犯栄誉金章は、防犯活動を15年以上続けた個人に贈られる功労賞で、この間に防犯栄誉銅章と銀章の受章、警察本部長や知事らから感謝状を贈られることも条件となる。今年は全国で94人、県内では前田さん以外に3人(江南市、蒲郡市、名古屋市中川区)が金章を受章し、岡崎市内では前田さんが初の受章者となった。
前田さんは昭和57(1982)年1月、仕事中に負った不慮の事故のけがが元で、勤めていた生命保険会社を56歳で退職。約3カ月後、総代会に誘われて井田学区防災防犯協会連合会に入り、地域のパトロールを始めた。
7年前には、岡崎署管内に百以上ある防犯ボランティア団体の第1号となる「井田学区地域安全パトロール隊」を24人で結成した。隊長を経て顧問となった現在も、地道なパトロールで井田小学校の児童たちの登下校などを見守り続けている。市役所が貸し出している青色回転灯4台も約3年前にパトロールに導入した。
「金章なんて夢にも思わなかった」と話す一方で、「一生懸命やってきた」と力を込める前田さん。これまで、たばこを吸いながら学区内を歩く中学生らを注意して、悪態をつかれたこともしばしば。しかし、井田小の児童たちからプレゼントされた活動をねぎらう言葉の寄せ書きは、前田さんの活動意識をさらに高めた。
同署では井口署長が「個人でこれだけ長く防犯に協力していただいたことに感謝しています」と話し、前田さんは「これからも変わらず活動を続けます」と、意気込みを新たにしていた。