「オレオレ詐欺」続く
岡崎署管内 被害額1千万円を超える
18日は「敬老の日」。「お年寄りを敬愛し、長寿を祝う」祝日だが、敬うどころか獲物として狙うのが、振り込め詐欺の一種である「オレオレ詐欺」だ。近年出現した前例のない犯罪に、実態が分からず首をかしげていた数年前に比べ、最近ではすっかり“定着”してしまった。
全国では依然、被害が後を絶たないが、岡崎署管内も例外ではない。同署によると、今年1月から8月末までに、オレオレ詐欺で金銭を騙だまし取られた被害は6件。被害金額は100万円から250万円までと、いずれも高額だ。昨年同期比で件数は半減したが、被害総額は1千万円を超える。
月別では1月から5月までは被害がなく、6月に3件、7月に2件、8月に1件発生した。犯人らの振り込み要求の名目は、治療費、示談金、和解金など、ほとんどが賠償がらみだった。
県警のホームページによると、現在は「おれ、おれ」と息子や孫を装い泣き落とすよりも、振り込ませる名目の細分化が進んでいるようだ。昨年の県内の被害は406件で、被害総額は7億円超に上った。
オレオレ詐欺で犯行のポイントとなる犯人らの演技や手口も多様化。複数の役を演じるのは今や当たり前で、管内の被害6件の中には6役を演じたケースもある。
オレオレ詐欺の後に現れた郵便物による架空請求詐欺は今月14日現在、被害ゼロ。同署は「より感情を伝えやすい電話で動揺を誘うからこそ、被害が絶えないのでは」と推察する。
被害を防ぐために、同署では▽決して自分から肉親などの名前を電話でいわない▽振り込みに走る前に必ず事実関係を確かめる▽事実関係が不明な場合は振り込まない―ことなどの徹底を呼びかけている。同時に、早まった振り込みを防ぐ“最後の砦とりで”といえる各金融機関も、店頭にチラシを置くなどして広報を続けている。