きのこ雲や黒い雨
「被爆者の絵画展」始まる
広島県の広島平和記念資料館から借りた、生き残った原爆被爆者が描いた絵画などを紹介した「被爆者の絵画展」が26日、岡崎市美術館で始まった。県立岡崎高校定時制の教諭、北村清幸さんが代表を務める市民団体「我ら地球人クラブ」が今年四月末から準備してきた。30日まで。
絵は、記念資料館がCD―ROMにデータとして保管している絵画のパネル145枚。広島の被爆者の絵だけでも3,000枚以上に上るため、同クラブが「原爆雲(キノコ雲)」「黒い雨」「爆心地」の三テーマにしぼって選んだ。データだけ借りた絵画は、同クラブが引き伸ばし、それぞれのパネルに詳細を書いた説明文も添えた。
絵画のほとんどは終戦から約30年後に描かれ、どれも当時の惨状を鮮明に伝える。準備を進めてきたクラブの一員、井川英彦さん(25)は「(原爆投下で)一瞬で命を絶たれた被爆者以上に、生き残った被爆者の死よりつらい苦しみを思うと胸が痛む」と力を込める。
また会場では、原爆投下直後の様子を納めた写真パネルも24枚展示。絵画と合わせて、爆心地から見た核の被害の悲惨さを訴えている。
午前10時から午後4時まで。