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東海愛知新聞

特別企画展「エコール・ド・パリ展」

80点の半数以上が初公開
人気のモディリアーニ
岡崎市美術博物館

「エコール・ド・パリ展」が岡崎市高隆寺町の同市美術博物館で開かれている。同市の市制90周年と同館の開館10周年を記念した特別企画展にふさわしく、展示作品約80点のうち半数以上が日本では初めて公開される作品。会場は多くのファンでにぎわっている。

エコール・ド・パリは、「パリ派」と訳される。共通の芸術運動ではなく、芸術的な特定の様式もなかった。1900年ごろから第二次世界大戦まで、パリのモンパルナスに世界各地から集まって芸術活動をしていた画家たちをさす。

そのなかに藤田嗣治、アンリ・ルソー、アメデオ・モディリアーニ、マルク・シャガールら美術史に名を残す画家がいる。

担当の村松和明学芸員は「この展覧会はパリ市立近代美術館の学芸員と共同で企画しました。エコール・ド・パリの画家たちの作品を世界中から集めたことにより、その真の姿を見ることができます」と、この企画に自信を見せていた。

最も人気があるモディリアーニの「スウェーデン娘」は日本初公開。同じモディリアーニ「青い目の女」の前も、立ち止まって鑑賞する人たちでいっぱい。卵型の傾けた顔、なで肩、モスグリーンの色調で知られる作品を見ながら、知らず知らず顔を傾けている人もいた。

ルソーの「ライオンを狩る人」も、特徴のあるジャングルの風景が記憶を刺激する。

シャガールの幻想的なイメージからは遠い初期の作品「聖家族あるいは夫婦」、日本人「フジタ」が存在感を示す「女ともだち」、アフリカやオセアニアの彫刻に想を得たアンドレ・ドランの「浴女たち」など、今では巨匠と言われる画家たちの魅力的な表現にふれることができる。

また、南仏風景を描いた画家たちの十数点は、セザンヌやキュビスムの影響を受けた作品として一見の価値がある。

アレグザンダー・アーキペンコの「猫と女」をはじめとする彫刻群も充実。パリ派の奥底にある思想「プリミティヴィスム(原始主義)」を表現している。

同展は7月30日まで(月曜日は休館)。

多彩に楽しむ

同館では多彩なサイドイベントが行われる。

来月16日は村松和明学芸員による講演会「エコール・ド・パリと二十世紀美術」が午後2時から開催される。

学芸員による展示説明会は、24日、来月29日のいずれも午後6時から行われる。また、10日と来月8日の午後6時からはサタデーナイトシアターが開かれ、フランス映画が上映される。

問い合わせは、美術博物館(0564―28―5000)へ。

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