「高まること」が喜び
“鉄人”室伏さんが講演
ハンマー投げでアジア大会五連覇を達成した“アジアの鉄人”室伏重信さんの講演会「可能性への挑戦」が27日、岡崎市明大寺町の文化施設・葵丘で開かれた。葵丘倶楽部の五月公開例会で、同クラブ員と一般市民ら約60人が聴講した。
室伏さんは昭和20(1945)年生まれ。日本選手権で十連覇を含む12回の優勝、オリンピック3回出場などを経て、41歳で現役を退いた。現在、中京大学体育学部教授。長男・広治さんは同じハンマー投げで、アテネ五輪で金メダルを獲得した。
室伏さんは、陸上競技でアジア人はほかの人種に比べて体力、筋力が劣ることを指摘。「40度を超す夏の炎天下や、グラウンドが凍る真冬に練習をしていると『何のためにこんなことをしているのか』と考えてしまうことがあった」と振り返り、「練習を続けることで(肉体的、精神的な)『高まり』が喜びになった」と話した。
また長男の広治さんが中学校、高校生時代はハンマー投げには向いていないのではと感じたが、その後、努力して金メダリストになったことを紹介し、「だれでも大きな可能性がある。可能性に向かって努力してほしい」と語った。