たくみ庵
手業、6月も実演多彩 岡崎公園花時計の東
岡崎の匠たくみの手業を観光客や市民に紹介する「三河・岡崎 城下町わざ工房たくみ庵」が、岡崎公園内にオープンしてから10日、職人の実演を見学する人たちでにぎわっている。この施設は伝統産業と観光の振興を目的に、市が岡崎商工会議所に事業を委託したもので、設営から展示・実演まで岡崎の職人衆が協力している。
先週末は雨にたたられるなど天は味方していないようだが、会場を訪れる人は土曜、日曜日が200人から300人、平日でも140、150人。半分近くは岡崎市民だという。
草木染めの実演をしている柴田晶子さん(草木染工房しかり)は「オープンが新聞で大きく報道され、市民の方が興味を持って来てくださいます」。26日、ちゃらぼこ太鼓を作る三浦宏之さん(三浦太鼓店)は、革をカットしながら、見学の男性に仕事の手順などを説明していた。
たくみ庵は花時計の東側に建てられた。4つのコンテナをつなぎ合わせてあり、広さは45平方メートル。建物の設計・監理は建築家の大山光広さん、ロゴマークや看板はデザイン業の浅井司さんが担当。建物の庇ひさしは大工の阿部敏夫さん、180センチ四方の草木染め日除けの「匠」の文字は、書家の丹羽勁子さんが書いた。
また、庭の「八丁味噌(みそ)仕込大桶おけ」はカクキューから持ち込んだ。自作の石のテーブルを会場に運んだ上野房男さん(おかざき匠の会会長)は「この施設を足がかりにしておかざきの伝統・文化を広めていきたい」と話す。
6月の実演・体験は、引き続き草木染めをはじめ、三河仏壇、矢づくり、和ろうそく、表具。また玩具花火の展示、石工団地青年部による展示・実演・体験、さらに鯉のぼり・武者絵のぼり展示など多彩な内容。
普段は作業場や工房をのぞくことが難しいが、今回は職人がたくみ庵に“出張”。それぞれの手業を間近に見ることができるいい機会だ。
この施設は、NHK連続テレビ小説「純情きらり」の放送にあわせて、9月30日まで無休で開いている。時間は午前10時から午後4時まで。
味噌桶で記念写真
岐阜県大垣市から26日に観光バスで訪れた俳句仲間の皆さんが、「八丁味噌仕込大桶」で記念写真をパチリ。直径は約2.2メートル。女性7人が入って定員いっぱい。大正15(1926)年に作られた桶で、味噌の香りが漂う。「純情きらり」で主人公の桜子が、子ども時代に誤って落ちた桶と同じ大きさ。女性の一人は「そうだったよね、毎日見てるから知ってます。きょうの朝は出発前にBS放送で見てきました」と桶を見上げていた。