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東海愛知新聞

男の世界支える姉妹トレーナー

「痛い」と言わない 恵里子さん
ビデオ画像で指導 友貴子さん    岡崎・中村ジム

男の世界のイメージがあるボクシングジムで、女性2人がトレーナーとして活躍している。岡崎市緑丘2丁目、中村ボクシングジム(中村靖雄会長)の中村恵里子さん(25)と友貴子さん(24)姉妹だ。男性練習生のミット打ちの相手をしたり、初心者のストレッチを指導したり。「私たちが指導した練習生が、チャンピオンをめざしてリングの上で戦うのを見たい」と、練習に汗を流す若者たちに期待する。
 父親でもある中村会長(62)は、19歳から24歳までプロボクサーとして活躍。バンタム級で中部日本第1位になったこともある。
 そんな父親に連れられて、当時、中村さんが所属していた岡崎ジム=同市丸山町=に通い始めたのは、2人がまだ園児のころ。
 「家に帰ってくるとグラブを付けて遊んでいました」(中村会長)
 2人ともスポーツが好き。姉の恵里子さんは小学校でフットベースボールと陸上を始め、中学、高校でも短距離選手として活躍した。一方、妹の友貴子さんは陸上の長距離が得意だった。
 会社を退職した中村会長は平成15年5月、ジムを開設した。2人は、この時から専属のトレーナーに。現在の練習生は園児から五十歳代の男性まで約80人。プロを目指す若者がいる一方、体力づくりやダイエットのために通う女性や夫婦もいる。
 恵里子さんはジム代表を兼ね、試合のスケジュールを組んだりする。リングに上がってスパーリングの相手を務め、時には男性練習生のパンチが顔面に当たったことも。あごがはれたが「痛い」とは言わない。
 恵里子さんの練習生を見る目は厳しい。「小さいころから『ガードが甘い』『スタンスが悪い』と、見る目があった。今では私より厳しいと言われます」と中村会長は苦笑する。
 友貴子さんは、初心者や女性のストレッチを指導したり、サンドバッグを支えたりして練習生を見守る。
 2人とも勤務を終えたあと練習に加わる。時には汗が落ちたリングを清掃するなど、女性らしい気遣いを見せる。
 また、友貴子さんはビデオカメラで撮影した画像を見せながら、練習生に欠点を指摘することもある。
 「このジムからプロテストに合格してチャンピオンを目指したり、インターハイや国体に出場できる選手を育てたい」という中村会長。姉妹には「将来は結婚してもジムを手伝ってほしい」と、父親、ジム経営者としての心情は隠せない。

プロを目指し対戦
岡崎で東西対抗大会
4月9日
 岡崎市ボクシング連盟(柴田治郎会長)主催、東海愛知新聞社など後援の第47回愛知県東西対抗ボクシング大会が、4月9日正午から乙川右岸河川敷の特設会場で開かれる。
 この大会はプロへの登竜門として知られている。過去には元WBCジュニアフェザー級世界チャンピオン、畑中清さんが出場したこともある。
 当日は県内から14のジムなどから約60人が出場。三河地区の東軍と尾張地区の西軍に分かれて試合を行う。
 また大会に先立ち、午前11時から青少年ボクシング講習会が開かれる。中村恵里子さん、友貴子さんらがローピング(縄跳び)やシャドーボクシング、ミット打ちなどを指導する。
 対象は幼児から中学生まで。無料。申し込みは今月18日までに市体育協会(53―7644)へ。

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