ダーウィンを超えた日本人
故木村資生博士
3月4日・故郷岡崎で「基金」初の講演会開催
岡崎市出身の文化勲章受章者で同市の名誉市民、故木村資生博士を記念する講演会が3月4日午後2時から、岡崎市明大寺町の独立行政法人自然科学研究機構内の岡崎コンファレンスセンター大会議室で開かれる。講演は、木村博士の業績をしのび、生物進化に関する内容となる。
木村資生博士は、岡崎市菅生町の生まれ。根石小学校から旧制岡崎中学校に進み、京都大学理学部で植物学を学んだ。卒業後、国立遺伝学研究所に勤務。昭和43(1968)年に「分子進化の中立説」を提唱し、ダーウィンの進化論をくつがえすものとして世界の注目を浴びた。
この業績が認められ、昭和51(1976)年に文化勲章、平成2年には英国王立協会からダーウィンメダルを受章した。ノーベル賞候補にたびたび名前が挙がったが、平成6年11月に死去した。
こうした博士の業績を広く一般に知らせたいと昨年、浜松市の大手自動車会社「スズキ」会長・鈴木修さんが中心になって「公益信託進化学振興木村資生基金」を設立。文科省の認可も得た。
事業として、国内外の研究者を対象にした「木村資生記念学術賞(木村賞)」の選定や、木村博士の業績と関連した生物進化に関する講演会の開催を計画している。
今回の講演会は、同基金として第1回ということもあり、博士の出身地岡崎を会場に選んだ。
講師と演題は、国立遺伝学研究所・五條堀孝教授の「ダーウィンを超えた日本人―木村資生博士の研究」、第1回「木村賞」受賞者で統計数理研究所・長谷川政美教授の「DNAからたどる哺乳類進化の歴史」。
聴講希望者は、はがきに[1]郵便番号[2]住所[3]氏名[4]電話番号を書いて、〒444―0011、岡崎市欠町石ヶ崎1の2、岡崎市根石小学校内、記念講演会担当へ申し込む。先着150人。
締め切りは2月20日。問い合わせは根石小学校(22―3646)へ。
分子進化の中立説 分子レベルの進化はダーウィン的な「適者生存」だけではなく、生存に有利でも不利でもない中立的な変化でたまたま幸運に恵まれたものも残っていく、という学説。