絵の具やロウも素材
異色の書展始まる
新城市 安形さん
ギャラリー葵丘
墨書のほか絵の具で直接描く「彩書」や、ろうそくのロウをたらす「ろう書」など独自の技法で知られる安形憲二さん(55)=新城市在住=の「新春書展」が18日、岡崎市明大寺町のギャラリー葵丘で始まった。
色紙から50号大まで約50点を展示。墨の濃淡を生かした「心」「道」といった文字のほか、「夢桜」と題した25号大の作品は、画面いっぱいに桜の花が描かれている。また絵の具をチューブから直接キャンバスに塗り、文字が浮き上がって見える作品もある。
「ろう書」は、火をつけたろうそくを逆さまに持ち、垂れてくるロウで文字を書き、あとで墨を塗る。ロウで書いた部分だけが白く残り、不思議な雰囲気に仕上がっている。
会場を訪れた市民は「力強くて大胆な作品」と感想を話し合いながら熱心に鑑賞している。
安形さんは平成14年、初孫の名前を書こうと筆を握ったのがきっかけで書道に目覚めた。書道を習ったのは30歳代に1年間、近くの書家に指導を受けただけだった。
しかし、その後は「1年365日、休まず書いています。というより、書かされているという思いです。これからも自由に書いていきたい」という安形さんは、生コン会社の経営者でもある。
昨年、岡崎市美術館で開かれたGAM展や東洋芸術書院展などで入賞。地元の新城市や浜松市、韓国でも個展を開いたことがあるが、岡崎市内では初めて。
22日まで。