良性腫瘍の乳房切除
愛知病院で医療ミス
術後の診断で判明
県は27日、岡崎市欠町の県がんセンター愛知病院で、良性腫瘍しゅようの患者の乳房を切除する医療ミスがあったことを発表した。
愛知病院は11月、細胞診の診断結果から乳がんと診断した40歳代の女性の乳房切除の手術を実施。しかし、今月に結果が出た病理組織診断では悪性の腫瘍が見つからなかった。
女性は、9月に受けた乳がんの住民検診で要精密検査と診断され、同病院の胸部外科で受診。触診により左乳房に2センチほどの腫瘍があることが分かった。超音波画像診断では良性と思われたが悪性の可能性が否定できなかったため、細胞診検査を実施。腺がんとの診断を受け手術し、11月に退院したが、良性との結果を受けて現在は再度、通院している。
院内の医療事故防止対策委員会は、[1]細胞診の結果で乳がんと診断したが、細胞診は100%の精度ではない[2]超音波画像診断や触診ではむしろ線維腺腫の疑いがあった。したがって、術前または術中に組織診断が必要だったと考えられるが行っていなかった[3]乳がんは特に診断の難しい症例があることから考えて、慎重な診断がなされるべきであり、手術に至る過程で病院として防ぐことができたと考える―と検討結果をまとめた。
今後は、診断に矛盾がある場合、詳細な検討を実施し、検査、診断、手術の過程でどこにミスがあったかを徹底的に調査し、再発防止策を講じるとしている。