構造計算書の偽造判明
岡崎市内「姉歯」関与の2ホテル
姉歯建築設計事務所が関与した岡崎市内のホテル2棟について3日、市が会見を開き、いずれの構造計算書にも偽造された部分があり、耐震基準を満たしていないことが分かった。
偽造が見つかったのは、唐沢町の「岡崎第一ホテル・イースト館」と、伝馬通2の「岡崎サンホテル」で、イースト館は11月25日から、サンホテルも市の報告を受けて3日に営業を休止している。
調査は、市が民間の検査機関に依頼。2通りの計算方法で調べた結果、地震時にホテル1階の柱にかかる力を半分以下の数値に改ざんしているのが見つかった。また、建物を水平に保つ力も実際より過大に評価していた。このため、実際には震度5強以上の地震が発生した場合、倒壊してしまう可能性があることが分かった。
両ホテルとも、1階柱に使われた鉄筋の直径は19ミリだが、耐震基準を満たすためには22ミリほどが必要となる。コストにそれほどの差はなく、細い鉄筋を使用した意図は不明。耐震基準は改修工事でクリアできるが、その費用を最終的にどこが負担するかが今後の課題となる。
市内の確認申請は年間約2,400件。これらの審査は3割が行政、7割を民間の指定確認検査機関が行っている。
川嶋直樹助役は「確認申請書の審査過程において偽造を発見できず、結果として基準を満たさない確認申請書を交付してしまったことは、誠に遺憾であり、申し訳なく思う」と話し、国の定める審査手順では偽造を見抜けないことを説明した。
市では、今回の調査結果を設計者の平成設計に提出し、見解を求めている。