岡崎
今年度の教育文化賞決まる
伊豫田・浅井・成田の3氏 団体はハナショウブ愛好会と竜海中
岡崎市の教育、文化に貢献した個人、団体を顕彰する「教育文化賞」(市、市教育委員会、岡崎竜城ライオンズクラブ共催)の受賞者、個人3人と2団体が決まった。
個人では「歴史・文化活動の普及と文化財保護活動」で伊豫田照和さん(78)=東蔵前町▽「美術教育と俳句指導を通しての文化振興」で浅井浚一さん(82)=福寿町▽「交通安全指導に向けた多彩な取り組みと啓発活動の推進」で成田久高さん(57)=竜美大入町。
団体では「花菖蒲しょうぶの普及・品種改良研究による緑化活動の推進」で岡崎ハナショウブ愛好会▽「豊かな情操を育む盲学校との交流活動」で竜海中学校が選ばれた。
33回目になる今年は個人10件、団体17件の申請、推薦があった。学識経験者ら7人の選考委員(仲井豊委員長)で審査を重ね、受賞者を決めた。授賞式は、19日午後2時から市せきれいホールで行われる。
19日、記念公演会
授賞式後の午後3時から、過去の受賞団体による記念公演が開かれる。岡崎市PTAコーラス連盟(第27回)、細川小学校郷土芸能クラブ(第22回)、光ヶ丘女子高等学校ダンス部(第32回)の3団体が出演する。
入場無料。定員500人。当日、先着順に受け付ける。駐車場は福祉会館北立体駐車場を利用。
受賞者の功績
◇個人
【伊豫田照和さん】教職に就いて間もない昭和25(1950)年以来、主に岡崎の仏像・社寺の研究に着手。その後、県教委に勤務し、愛知の文化財調査を担当、『愛知県近世社寺建築』や『愛知の仁王像』の執筆に携わった。47年頃から、市民や教員を対象にした「歴史と文化財めぐり」の講師を務めた。
また平成元年から5年間、市民を対象に「街道めぐり」の講師としても尽力。現在も小中学生を対象にした文化財の講演を年に数回実施するなど活躍している。さらに、岩津町円福寺の廃寺問題や滝山寺・甲山寺の学術調査・保護にも力を注いだ。
【浅井浚一さん】昭和43(1968)年から30年間、俳句と絵を色紙に表現する会を主宰。同会の展覧会は、市民の手による先駆的な会として注目された。また、59年のおかざき世界子ども美術博物館開館に携わり、造形活動の進展に寄与。その後、各市民センターに絵画教室を立ち上げ、現在も8グループ約160人の市民を対象に指導者として活躍している。
一方、俳句指導では39年以来、市内中学校の教職員や俳句愛好家の講師を務めている。この間、俳句同人会の要職も歴任し、俳句の楽しさを幅広く市民に伝えている。
【成田久高さん】昭和52(1977)年に交通指導員の委嘱を受けて以来、現在まで児童生徒の交通安全指導に貢献。日々の登下校時の安全指導だけでなく、自作の人形と自家用トラックを使った巻き込み事故の再現や、手作りのコースで自転車クラブ員への正しい乗り方の指導。さらに、横断用旗の改善として「止まれ」の文字を発案するなど、様々な創意あふれる取り組みを続けている。
地域では、交通安全ワッペンの配布のほか、交通安全だよりを毎年発刊。指導員の育成にも尽力し、地域の交通安全に対する意識高揚に寄与している。
◇団体
【岡崎ハナショウブ愛好会】昭和59(1984)年の発足以来20年間、東公園の花菖蒲の品種改良と栽培法の指導、優良種苗の寄贈を推進。昭和61年に東公園で始まった「花菖蒲まつり」を契機に、花菖蒲などの展示会と市民への株分け苗などの配布を推進した。
平成4年からは、品種改良の研究・育成の拡大とともに、東公園や福祉の村への花菖蒲鉢や切花の寄贈をしてきた。さらに、菖蒲まつりの期間中に茶会の開催や防災防犯パトロールへの参加など、その活動は多岐にわたっている。
【竜海中学校】昭和54(1979)年に文部省から心身障害児理解推進校の委嘱を受けたのを機に、岡崎盲学校との交流活動を始め、昭和56年には文部省から感謝状を受ける。
以来、27年間にわたって「竜盲交流」を継続し、平成10年には年7回の定期交流として定着した。クラスごとにバーベキュー大会を開くなど、自主交流も続いている。
平成13年には、ハーブの種を「交流の種」として、互いに栽培する中で、心のつながりを持たせた。また、最近では盲人対象の新しいスポーツ「ゴールボール」を体験するなど、スポーツ交流も行っている。