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東海愛知新聞

岡崎

「敬老の日」

仲間と“消費生活”勉強
93歳の河合さん今も現役

岡崎市城北町の河合登美さんは、大正元(1912)年生まれの93歳。戦後、家業の繊維卸業の仕事を手伝いながら婦人会活動に参加。さらに昭和47(1972)年からは消費生活運動にもかかわり、現在も毎月の勉強会に出席する現役の活動家である。
 玄関で来訪を告げると、「はーい、ただ今」と張りのある声が返ってきた。すぐに、ブラウン系の落ち着いた色のブラウスと同色のパンツの河合さんが姿を現した。ぴんと伸びた背筋、しっかりした足取りは、93歳のイメージとはほど遠く若さに溢あふれている。
 読者から「93歳で自転車に乗ってどこへでも行く元気なおばあちゃんがいる」と聞いてきたがその通り。
 河合さんは、同市松本町で生まれ、学校を卒業するとロープ製造会社に就職。そこで5歳年上の仙太郎さんと出会い、18歳で結婚。5年後、仙太郎さんは繊維卸業「河合商店」を設立して独立。業績を順調に伸ばし、家庭でも3女に恵まれた。
 「昭和27年に婦人会の会員になりました。当時は女性の地位向上や生活改善など活発に活動しました」と河合さんは昔を懐かしむように話す。  47年6月に岡崎市消費者生活学校が設立されると、ただちに参加。52年から5年間は運営委員長を務めリーダーシップを発揮した。退任後も顧問として毎月の学習会には必ず出席している。
 衣笠裕子委員長は「先輩として、人間として尊敬しています。今も一会員と同じように会の活動に参加されているのには頭が下がります」と話している。
 河合さんは、豊富なキャリアを生かしたアイデアを次々に出して活動を活性化してきたという。生活学校にとって、今もなくてはならない人だ。
 仙太郎さんが亡くなって29年、長女の家族と同居。内外合わせて孫が7人、曾孫が6人と家族に恵まれている。
 食べ物に好き嫌いはないそうで、「楽しみは」とたずねると「テレビの旅番組を見て、気に入ったところへ連れて行ってもらうこと」と目を細めた。
 「婦人会や生活学校でいい友達に会い、いいお付き合いができてよかった」と振り返った。
 今年の1月、急なめまいに襲われ病院通いをするようになってから、家族から自転車に乗ることを止められた。それでも学習会にはバスで出かけていく元気な河合さんだ。

☆   ☆
 河合さん宅に16日午後、岡崎市城北中学校の生徒たちが敬老の日のお祝いに訪れた。
 2年生の金田一哉君と鶴田武士君、1年生の生駒郁彦君の3人が「敬老の日おめでとうございます」と生徒会が用意した花の鉢とお菓子を渡すと、河合さんは「毎年ありがとう」とお礼を言って受け取った。
 生徒3人は、河合さんと同じ町内に住んでおり、しばらくの間話が弾んだ。
 同校の長寿者訪問は、昭和36(1961)年の開校以来の行事で、今年は学区内に住む88歳以上のお年寄り268人のうち都合のついた136人の家庭を生徒が手分けして訪問した。

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