万博で2回目の「岡崎の日」
ジャズコレクションも紹介
愛・地球博長久手愛知県館のあいちおまつり広場で3日、「岡崎市の日」(2回目)のイベントが開かれた。伝統を中心に発信した前回とは打って変わり、今回は市が保管する「内田修ジャズコレクション」の紹介がメーン。コレクション寄贈者の内田さんとトランペッターの日野皓正さんとの対談は急きょ中止となったが、日野皓正クインテットのジャズコンサートなどが会場を大いに沸わかせ、岡崎とジャズの密接なつながりをPRした。
先着順に用意した約300人分の入場整理券は、午前9時の配布開始から20分でなくなった。午後2時、定員を優に超える観衆が集まった会場のオーロラビジョンで、市シビックセンターと美術博物館に保管されている膨大なレコードや書籍、オーディオプレイヤーの数々の概要などがビデオで流され、貴重な「音楽文化財」として紹介。内田さんと40年来の付き合いがあるシビックセンタージャズ企画アドバイザーで、ブルー・ウェーブ・ジャズ・フォーラムの山東正彦さんも駆けつけ、「ぜひ、岡崎に来て貴重なコレクションを耳にしてほしい」と会場に呼びかけた。
続く2部構成のスペシャルコンサートは「岡崎から世界へ 永遠の平和を求めて」がテーマ。クインテットは、“大きな足”の意味「テイク・フット」、アジアが仲良く平和になってほしいとの願いを込めた「ドリーム・オブ・アジア」、内田さんに捧げたCDには収録されていない曲「ドクター・U」、美空ひばりの名曲「川の流れのように」の四曲を披露。観衆は哀愁漂う日野さんのトランペットや各パートの巧みなソロ演奏に目を見張っていた。
フィナーレの「SORANFUNK(ソーラン・ファンク)」は、クインテットと光ヶ丘女子高校吹奏楽部、合唱部、ダンス部の総勢約百五十人によるソーラン節を編曲したコラボレーションライブ。ソーランの掛け声や、生徒とクインテットメンバーのドラムセッションなど「祭り」をイメージして盛大に盛り上げた。
フィナーレを前に設けられた日野さんと山東さんの対談では、内田さんにまつわるエピソードなどのほか、日野さんが21歳(1963年)の時、内田さんが市内で開業していた外科病院内のスタジオで録音した演奏テープも初公開された。
コレクションについて日野さんは「ジャズファンはもちろん、ジャズプレイヤーを志す人が、ジャズの歴史を知ることができる貴重な物。ジャズの歴史を知れば、自分の自信やアイデンティティを育てるのにもつながると思う」と語り、内田さんについては「日本のジャズ界を支えてくれている大事な人」と、その思い入れを話した。