「終戦60年」の重み250点
岡崎市郷土館であすから貴重な遺品や空襲の記録
岡崎市は16日から、同市朝日町の市郷土館で企画展「終戦60年―戦争を語る品々、伝えたい記憶」を開催する。9月4日まで。
日本は昭和6(1931)年の満州事変を発端に、いわゆる15年戦争を戦ったが、20年8月15日、米英を中心とする連合国に敗れた。
今年は、終戦から60年。郷土館では今年2月、市民に企画展のための資料提供を呼びかけたところ、20人から約200点が集まった。
中島町の天野峯松さんは、兄武一さんが9年11月1日、満州で戦死したときに着用していた軍服を出品。左胸に銃弾が当たった穴が残り、ズボンの右ひざの下には大きな血痕が生々しい。
天野さん宅では、四男の幸一さんも海軍上等兵曹として戦死。遺品のない息子を偲んで父兵吉さんが画家に描いてもらった肖像画も展示される。
このほか、海軍の軍服など出征した人の遺品、銃後の守りを示す品々、岡崎空襲の記録など、岡崎市所蔵品も含めて約250点を展示。
学芸員の伊藤久美子さんは「どの品にも60年間大切にしてきた人たちの思いが詰まっていて貴重です。この機会に戦争の記憶を新たにしてほしい」と話している。